もしも人のこころが読めたなら
真っ先に、私を傷つけたあの人のところにいく
そしてあの人の顔を真正面から見てやる
「なんだ、あんたは」
「急にどうした」
「本当にいつも勝手だな」
あの人の髭だらけの口から発せられるのは、どうせ聞きたくもない言葉。
でも
その時に、もう少しその場に居続けられる勇気を
私のトラウマが許してくれるなら、その時間を与えくれるなら、
ろくでもないことを喋り続けるあの人の心の声が、私の耳の奥にだけ到達するだろう。
「本当は・・・ずっとずっと待ってたんだ。よく来た。愛している」
今更こんな都合のいい夢はない。
現実で叶わない夢は見ない。
眠れない夜の方が多いし、夢は悪夢という形でばかり夢を沈潜する。
もしも人のこころが読めたなら
悪夢でさえ見たことがないようなほどの、素晴らしい経験ができる。
あの人が、口では私に文句を言いながら、内心の愛を伝えてくれているんだよ。
それがはっきり聞こえているんだよ。
今日1日の魔法。
すぐに、消える。
もしも人のこころを、1日でも読める特権が当たられたら・・・
私は、あの人の本音が知りたい。
私を愛してる?
それとも、私なんかいらない?
人のこころを読みすぎて、疲れました。
壊れたアンテナは卒業します。
次は、人間に生まれ変わりたい。