探しにいくよ

ひとりごと。

他人事の妖精

こんばんは。

 

クリスマスの色とりどりの飾り付け。

 

星。モール。サンタさん。キャンディケーン。ベル。リース。

そしてツリー。

 

ここ数年はトムテさんを集めています。

 

北欧の妖精さんです。

 

「かわいい」と思っただけでしたが、ウィキを読むと、優しい性格ながら、気難しい一面もあり、大事に扱われないと、その家を捨て去ってしまうとやら・・・

 

「めんどくさい」妖精さん・・・笑

 

かわいい。

 

うちに何人いるかなぁ?

 

たくさんいるよ。

自分で作った子もいるし、今年お迎えした子もいるし。

 

子供の頃は、とにかく優しいサンタさんが好きだったのに、なぜ今は、正体不明な妖精さんが好きなのかなと、ずっと不思議だったのですが、その理由がふとした時にわかりました。

 

トムテさんには、目がないんですよ。

 

本物のトムテさんに、目があるのかどうかは知りませんが、売っているもの・・・私が見かけてきたものは、目がつけられていないものが多かった気がします。だから「トムテさん=目がない、あるいは帽子やお髭で隠れている」というイメージがつきました。

 

目がないのが、気に入った理由かも?

 

そう思いました。

 

自分でトムテさんを作っている時に、それに気が付いたんですよね。

 

「あ・・・この子、目をつけないでいいのね」って。

 

今も、すぐそばの棚の上に、二人のトムテさんがこっちを向いて座っています。

 

でも、彼らの目は帽子の下にあって、つまり、目が見えない状態なので、目が合わないので、視線を感じなくて、いい。

 

面白いって自分でも思う。

普段の私は誰よりも他者の目を気にしてして生きている自覚がある。傍若無人に振る舞っているようでいて、実は「周りからひどいやつだと思われていないか」「表面上困ったそぶりをしてもいいけど、本当のところは嫌わないでほしい」と、魂が焦げそうなほど願っている。そして、その願いを叶えるために、狂おしいほどの努力をしている。

 

聞かれてもないことを自己開示して。頼まれてもないことを率先してやって。道化者になって。そういう自分を自分で罵って反省して貶めて、他者には罪はないと認定することまでして、他者の中で自分の居場所を作りたいと願っている。

 

電話がかかってきたよ。

忙しい人。

仕事を頑張る人。

なんか怒っている人。

心配してくれる人。

訳のわかんない電話。

 

みんな必要とされているんだね。

 

なら、私は?

 

電話がかかってくるだけ幸せ?

必要としてもらっているの? でも、電話はかけた人の都合でかけてくるものだから。もちろん、その人にとって、私は何らかの要件を満たすことができる相手だったんだと思う。そういう意味において、私は電話をしてきた人にとって必要な存在だったし、私もその電話ごとに、時には楽しく、時には真摯に、対応をしてきた。

 

でも、それって、必要とされるってこと?

 

誰かの用事を満たすことができる存在であるということと、誰かに必要とされることって、絶対に違うと思う。何が違うの?って言われたら、困るけど、でも、絶対に違う。

 

えっと、よくわかんないけど。

 

ここんところ、すごくお金の使い方に気をつけていて。

無駄なお金を使わないように、サンクコストとか、減価償却とか、めちゃくちゃ神経質になってるけど、その中で、店頭に並んでいたトムテさんを見かけて、それが前にその店に来た時には置いてなかったので、思わず、衝動買いしちゃった。衝動買いなんて私には滅多にないことなので、そんな行動を取った自分にびっくりした。

 

嬉しかった。欲しくなった。

 

トムテさんが何かの用事を果たしてくれる訳じゃない。ぬいぐるみの妖精さん。でも、私にとって必要だった。精神的な喜びというか、ともかく、それはとても必要な買い物だった。100均で3つ。たったの330円で宝物をゲットできた気分。

 

マフラーを掻き合わせながら、イミテーションの作り笑顔が取れない帰り道。

 

トムテさんの値札をハサミで切って、デスクに飾ったら。

 

目のない人形に見つめられる。凍てついたイミテーションの私が解凍される。

 

トムテさんの秘めた目は内側を見ているの?

私も同じだよ。

 

だからトムテさん。

お願い。

 

私にずっと何も語らないで、のんびりとしていて。

 

 

 

今年のクリスマスが終わるまでに、もう少しトムテさんを増やしたい。

部屋のあちこちにこの子たちがいてくれるなら、怖くない。